一般に、レミーヘアといわれる人毛は、大まかに10段階ほどのランクがあります。
最高級品は、ヨーロピアンヘアや、ヴァージンヘアといわれ、洗ってもうねりやハネがでにくく、艶や手触りに大きな差があります。
ひとくちに人毛ウィッグといっても、実際には、品質に大きな差がありますので注意が必要です。
製作には、キューティクルをはがして、消毒を施す方法と、キューティクルを残して、消毒を施し、同じ方向に植える方法があります。
前者は、洗うとくるくるとした癖がでるので、毎回ブローをしなければならず、以前は多くみられました。
後者は、製作に手間がかかる分、美しく、より質の良いウィッグといえます。
自然乾燥でスタイルがしやすいのも後者です。
人毛ウィッグの長所は、質感の自然さと、柔らかさです。
自然製品ならではの、色や陰影があり、お顔への馴染みが良いのが特徴です。
また、お手入れには人用のシャンプー、コンディショナーが使用できますので、
必ずしも専用品を用意する必要がないのもミックスウィッグとの違いでしょう。
短所としては、総手植えは、ベースに毛髪を結びつけて作るため、ボリュームが出やすい
傾向があります。求めるスタイルにより、どのような構造になっているのかを知った上で選ぶのが、つけ心地の良いウィッグ選びの基本になります。
現在では、ボリュームが出過ぎないように工夫をされた人毛ウィッグもございます。
ドライヤーやホットカーラーなどで、スタイリングも可能です。しかし、濡れた状態からドライヤーで乾かすのは、ボリュームが出やすく、
乾燥の原因になりますので、自然乾燥が望ましいでしょう。(質の良い人毛は自然乾燥で充分です。)
パーマやカラーリングも可能ですので、希望のスタイルをご相談されるのが良いでしょう。
弊社では、専用のカラー剤でカラーリングすることにより、トリートメント効果で、艶が蘇り、パサつきも抑えられるので人毛ウィッグをお使いのお客さまのリピートを頂いております。
ただし、暗い色から明るい色へのカラーチェンジは負担が大きいのでお薦めしません。
また、質の悪い人毛ウィッグへのパーマやカラーや、市販品のカラー剤の使用も控えたほうが良いでしょう。
ウィッグのパーマやカラーは、ウィッグの毛髪の質や
使用する薬剤の注意が必要ですので、知識のある専門家に相談することをお薦めします。
人毛は帽子を被ることや、髪を纏めることの多い方にも問題なくお使いいただけます。
アレンジにも対応できますので、編みこみや、巻き髪なども可能です。
ミックスウィッグとは、一般に、人毛と化学化繊の混合で作られています。
使われる化学繊維は、アクリル系、ポリエステル系などがあり、アクリル系の化学繊維はカールがつきにくく、ポリエステル系はしっかりとカールがつくといわれています。また、艶や手触りも様々なランクがあります。
配合の割合は、メーカーにより様々で、人毛が20%以下から50%以上と様々です。
人毛が多いとミックスの良さである、スタイルの保持性に欠け、化繊が多いと自然さなどに欠け、人毛に近い質感がなくなる傾向があります。使われている化学繊維や人毛の種類により、様々なタイプがございます。
最近では、研究開発が進み、人工キューティクルのある化学繊維など、より人毛に近い質感のものがでています。
しかし、化繊は、あくまでも化学繊維ですので、
特徴を良く知り、正しいお手入れ方法で使用することが大切です、。
ミックスウィッグの長所は、スタイルの再現性、保持性に優れているところです。
シャンプー後もスタイルが戻りますので、スタイリングが苦手な方や、
カールやウェーブのあるスタイルをお求めの方に向いています。
ミックスの弱点は、静電気が起きやすいことと、摩擦に弱いことです。
また、スタイルチェンジがしずらく、毎日同じ髪型ということもいえます。カラーリングやパーマもできません。
どんなに高価なミックスウィッグでも、時間の経過や、使う頻度、お手入れの仕方などで、毛が固まり、ゴワつきがでることがあります。
特に、襟足部分は摩擦によるゴワつきが起きやすい部分ですので、念入りにお手入れしていただくことをお薦め致します。
特に肩に触れる長さのウィッグは注意が必要です。
専用のウィッグオイルやコンディショナーでお手入れをすることや、シャンプー・トリートメントなどはウィッグ専用品をお使いになることをお薦めします。
ごわつきが出た場合は、各メーカーでメンテナンスを施し、元のような状態にすることも可能です。(リペア、静電気直しなど)
その場合は、メーカー設定の料金がかかります。
下の画像をご参考下さい。(長期間使用で傷んだウィッグと弊社リペア処理後の画像がご覧いただけます。)