髪は、そもそも何のためにあるのか、皆さんは考えたことがありますか?
一つ目は、頭皮の保護です。物が落ちてきたり、何かにぶつかってしまったりなど、外部から大切な頭を保護するためのクッションの役割があります。
また、紫外線から頭皮を守るためにも生えているといわれています。強い紫外線でダメージを受けないように髪の毛があるわけです。
次に、保温作用です。気温が高いときは、汗が髪の毛をつたって蒸発し、頭の温度が上昇しすぎないようにします。また、気温が低い時は、髪の組織中の空気が保温の役目を果たします。人間には恒常性といって、つねに体温を一定にたもつ性質がありますが、髪の毛もその役割を担っていると言えます。
三つめに、排泄器官としての役割です。髪の毛は主に、重金属(水銀、鉛、カドミウム)などの排泄器官としての役目があります。体に必要のない重金属は、髪の中に体積され排泄されていきます。
そして、四つ目。自分の思い通りのヘアスタイルをして、自分を表現する。自分らしさのアピールです。思い通りのヘアスタイル、好きなヘアスタイルをすることで、気分が安らぎ精神の安定を得られます。また、脳が活性化して、買い物に出かけたり積極性がうまれます。
人に「その髪型素敵ね」とか、「とっても似合っている」と言われることで、自分に自信がもてたり、自分を肯定することができます。
この4番目の髪の役割はとても重要です。髪⇒自分自身ともいえるのではないでしょうか。昔の言葉に、髪は女の命とあるように、いつの時代でも、美しい髪や髪型は、ファッションの一部であり、女性の誇りでした。化学療法や脱毛症で、自分を表現する、あるいは自分の一部ともいえる髪の毛がなくなり、お気に入りのヘアスタイルができなくなるのです。
とても辛いことだと想像できます。
ですから、前向きな方は、無くなってしまった髪の毛の代わりに、ウィッグや帽子を使って自分を表現しようとされるわけです。現代は、幸いなことに、素敵なウィッグや、帽子が豊富な時代です。積極的に、利用して自分を表現していただきたいと思います。
お気にりのウィッグや帽子があれば、辛い治療の期間でも、気持ちが楽になりますし、
気分の良い時は、外出しようと思えたり、お仕事をされながらの治療の方も、周囲への気兼ねも軽減されるのではないでしょうか。
次回は、治療後どのように髪が変化していくのか、対処方法も含めて書いてみようと思います。
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